唯一の樹の下で

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唯一の樹の下で > TEXT > 築像誤念

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子供の頃、小さなガラクタが宝物だった。
海で拾ったガラスのカケラを、とても大切そうに眺めていた。
掲げると太陽を通して入ってくる光が好きだった。

そうして、奇麗なものだけを集めるうちに、
自分の汚さだけが育っていったのかもしれない。

いつのまにか、周りの奇麗な物は汚れていった。
静かな朝は憂鬱に変わり、瞬く星は単なる光に変わって。
外でぼーっとすることも少なくなった。
変わりに、上手く波に揉まれる方法を身につけていった。
タバコをふかす回数が多くなった。

言葉を上手く紡げなくなってしまった。
今の自分は言うだろうか。それが成長だと。

どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。
自分が特別な誰かじゃなく、その他大勢の一人なんだって。

どうしてもっと早く気付かなかったんだろう。
自分が弱く、矮小な存在でしかないって。

今更遅い。
もう遅すぎる。
築いた像は大きく、自分の手には負えないのだから。
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2004/09
【コメント】
気付くと、自分は大きくなっていた。色んな意味で。
自由と責任だけが無駄に増えた。

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