唯一の樹の下で

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邂逅。

再見-サイツェン-という響き。
軽やかに辺りに跳ねる。

地下鉄に乗る。
涙がこぼれる。
拭っても拭いきれない、それ。
心が締め付けられる。

地上に出る。
いつの間にか雨が降ってたらしい。
傘はない。
濡れて歩く。
ハイヒールが水溜りを軽やかに跳ねさせる。
ぴちょん
ぴちょん
ぴちょん

何処に行く気にもならない。
歩く。
当てもなく歩く。

彷徨うとは、こういう事かしら、と一人で納得する。
濡れたワンピースが少し重い。
濡れた心が少し痛い。

構われることはない。
誰に構うこともない。

出口は見えない。

少しだけ口に出してみる。
再見-サイツェン-
痛い、いたい、イタイ。

あまり綺麗ではない顔が、よけい醜くなっている気がする。
ほどなくして結局ここに来る。
忘れられない、場所。
忘れることの出来ない、場所。

泣く。
止め処もなく、泣く。
少しだけ雨に感謝する。
泣いているとは思われないだろう。

そんな風に思わないで。
そんな風に私を見ないで。

再見-サイツェン-
まだ痛い。
ずっと痛い。
きっと痛い。
いつまでも、いつまでも、痛い。

痛いいたいイタイ・・・

雨が降っている。
ずっと降っている。
私の心も降っている。

やむ事は、ない。
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2003/04
【コメント】
誰を想う訳でもなく、
つまりは風景画みたいな物。
雨に濡れる女性像

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