唯一の樹の下で

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「じゃぁ今日は巷にあふれてる、奇跡について考えてみようか」
彼は言う。

僕には答えられない。
答えられるはずがない。

「一体奇跡というものはなんなのだろうね?」

…偶然に偶然が重なった結果、0%であったものが100%に変わることかい?

「いや、そうとも言い切れない。
例えばここに重病に犯された人がいるとしよう。
彼は死ぬしかない運命だ。」

…極端なシチュエーションではあるな。

「しかし、そこに奇跡が起きる。
彼は快方に向かい、薬だけで生きられるようになる」

…あぁ、奇跡だろうな。

「しかし、彼にとってそれは100%だろうか?」

…どういうことだ?

「例えば、その薬の副作用で彼が10年後に死んだとする。
しかし、周りの人々は言うのではないか?

…10年間生きられたことが奇跡だ、と」

…だろうな。

「まるで、Merry-Go-Roundみたいだな」

どういうことだ?

「幾ら回っていても、いつかは止まるものさ。
奇跡なんてものは一瞬のスパイスでしかない。
そういうものさ」

…結局偶然の産物でしかないと?

「そういうものではないさ」

…どういうことだ?

「それは君自身が考える事」

そう言って彼は落ちて行き、
そしてまたここには暗闇が広がった。
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2001/12
【コメント】
徐々に人に伝える事を放棄していく。
けど言葉の本質はそうではないのか。

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