唯一の樹の下で

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arrow 紫煙
人生上手く行かないもんだなと
虚空に語り掛ける。
煙が喉を焦がし、
ちょっと痛い。

携帯はさっきから闇に身を潜めて、
まるで、
「あなたに向かって発せられる電波など、
ありはしませんよ」と言ってる様。

事実、あれほどまでに煩く鳴っていたこの携帯が、
役割を果たさなくなってから、
もう結構経つのではないか、と思う。

「気を使って、メール返してくれなくていいよ。」
聞いたのは何時の事か。
まだ期待に縛られて、手放す事も出来ないでいる。

―――あなたは、私に何もいってくれない・・・

それは違う。
本心を言って傷つくのが怖いだけ。

―――あなたは、強い人だから・・・ 

俺は強くなんてない。
おまえに頼ってばっかりだから・・・。

最初からまずかったタバコが、
更にまずくなった気がした。

それは、鳴らない携帯の所為だろうか?
それは、慣れない孤独の所為だろうか?

それとも、頬を伝う、冷たい雫が、そうさしているんだろうか・・・
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2001/08
【コメント】
この頃は恋愛がまだ恋愛として成り立っていた。
今は恋愛は色恋沙汰にしかならない。

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