もう5月も近い。
いつの間にか葉は色を変え、短からぬ春は春へと変遷していく。
君に最後に触れたのはいつの事だったろうか?
まだ寒かった記憶しか、既に形を成していない。
暖かさだけを求め、曖昧な表面を取り繕ったのがいけなかったのか。
それとも、何か見えないスィッチを押してしまったのか。
それ以来、僕は君の笑顔に会わぬまま、時を費やしている。
とはいえ、あながちつまらなくもない人生をこなし、
僅かながらの満足と平穏を得、安穏と生きている私には、
これ以上の事を望むのは些か傲慢であるのかもしれない。
いつしか心は傷を忘れ、いつかのように笑える日が来るだろうか。
もう来ないだろうか。
多分来ないだろうな。
それはそれで、大切な物を失くしたかのように、
寂しい事ではあると思う。