« 色々 | メイン | 合言葉は廃墟 »

没作品供養2

つっても文章のみ。

空-kara- Scene2

ノックの音。
-ノックの音。
…12個。或いは13個。
-13個。不吉な数字。

例え贔屓目に言ったとしても、静穏の範疇。
-時に穏やかに、時に情熱的に空気を揺らす

ドアの開く音。
-ドアの開く音。
ノブに指輪が当たり、甲高い音が鳴る。
-金属と金属の重なる、不快な音。
付随して、足音。
-するように進む、足音。

カーペットが吸収して、くぐもった空気を生む。
-毛並みだけは厚いカーペットが、音だけを殺していく。

コインをトスして、裏か表を読む。
-暗闇の中差し出されるコイン。
暗闇の中で、円の端だけが光る。
-月を切り取ったかのように、丸く光る。
揺らめくように、一定のリズムで。
-不安定な満ち欠けが、暗闇を切り取っていく。

また静かに気配が遠ざかっていく。
-きびすを返す、何か。
ドアを閉めて、また元の静寂が広がる。
-丁寧にドアを閉めると、足跡だけが遠ざかっていく。

わかるかな?
-わかるかしら?
それが、僕と、君との関係。
-それは、貴方と、私の関係。

だから、それ以上でも以下でもないんだ。
-私が望むもの、わかるかしら。

ついでに空-kara-の文章。

scene1

せめて人の愛という物に触れてみたかったのだ。

もちろん、形としては見えない物であったとしても。

ささくれて、醜い形を取るのだとしても。

いや、もしかしたらそれを望んでいるのか、とすら思う。

汚く、醜く、矮小で、卑しい。

そんな奇麗な無形を夢見、そして焦がれている。

あくまで焦がれるだけ―なのだ。

私にはそれに触れることも、そして感じる事も許されない。

許されるはずがない。

自らを自らと認めず、他者の反映だけによって成り立つ私には、

愛や夢、欲や情など己に反映すべき情動に価値を見出せない。

ひたすら逃げ続け、目を逸らすしかないのだ。

どうして…

どうして、私はこんな風になってしまったのか…

もしかしたら、あの時m

Scene2

文字がかすれてしまって、読めない手紙。

私は潰されるのだろうか。

怖いな。

助けて欲しいな。

あー、嫌だ。

消えたくな

Prologue

正面に塔が聳え立っている。

あくまで己を顕示するかのように、或いはそれが当然だというように。

鏡のように透き通る空も、今は足を速めている。

口付けを交わした後のようにまどろむ時は、

微細な空気の振動だけに伴われ、昔へと流れていった。

Epilogue

静謐だけが辺りを満たしている。

動きだけが息絶え、全ての生を包み込んでいる。

もう少し早ければ気付けたかもしれないのだ。

そう、ほんの少し。

小説で言えば最後の行に描かれるような些細な描写。

それだけが足りず、今があるのだろう。

あぁ、ほんの僅かな差異だったのだ。

それが後悔すらも生み出さない、そんな結果を生む。

えてして、生と死とはそんなものだ。

Scene3

見つからない。

見つからないよ。

どうしても。

あぁ、嫌だ。

僕の目がないんだ。

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://yuiki.net/blog/mt-tb.cgi/32

コメントを投稿

About

2005年07月09日 05:38に投稿されたエントリーのページです。

ひとつ前の投稿は「色々」です。

次の投稿は「合言葉は廃墟」です。

他にも多くのエントリーがあります。メインページアーカイブページも見てください。

Powered by
Movable Type 3.36